「DIE WITH ZERO」という言葉を知ったとき、少し極端な考え方だなと思いました。
しかし、本を読み進めるうちに、「お金を残すこと」だけを考えるのではなく、「生きている間に何を経験したいのか」を考えることが大切なのだと感じました。
そして、令和8年熊本地震をきっかけに、その意味を改めて考えるようになりました。
2026年7月28日、熊本県熊本地方でマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町では最大震度7を観測しました。
突然の日常の変化を目の当たりにすると、「いつかやろう」と思っていることが、本当にいつかできるとは限らないのだと考えさせられます。
もちろん、地震と人生設計を単純に結びつけることはできません。
それでも、普段は忘れている「今日を大切にする」という当たり前のことを、強く意識させられる出来事でした。
お金を貯めることだけが人生ではない
私たちの世代は、「将来のために貯金する」「老後に備える」という考え方を大切にしてきました。
それは決して間違いではありません。
病気や介護、住宅の修理など、これから先にお金が必要になる場面はあります。
だからこそ、ある程度のお金を残しておく安心感は大切です。
ただ、貯めることに一生懸命になりすぎて、「今しかできないこと」を後回しにしてしまうのは少しもったいない気がします。
体力があるうちに旅行する。
家族と食事をする。
見たかった映画を見る。
行きたかった場所へ行ってみる。
こうした経験は、お金を貯めているだけでは得られません。
特に50代、60代になると、「あとでやればいい」と思っていたことが、年齢とともに少しずつ難しくなることもあります。
健康で動ける時間には限りがあります。
だから私は、これからは「いくら残すか」だけでなく、「何に使えば人生が豊かになるか」も考えてみたいと思います。
熊本地震が教えてくれた「今日」という時間
地震は、予定表に書かれているものではありません。
旅行も、家族との食事も、趣味も、「来月でいい」「定年してからでいい」と先送りできます。
でも、その「いつか」が必ず来るとは限りません。
令和8年熊本地震では、住まいや道路など、日常生活を支えていたものが大きな影響を受けました。
当たり前だと思っていた生活が、当たり前ではなくなる。
その現実を知ると、何気ない一日にも価値があることに気づきます。
朝起きて、ご飯を食べる。
家族と「おはよう」と言う。
好きな音楽を聴く。
テレビでスポーツを楽しむ。
休日に少し遠くまで出かける。
そんな普通の時間こそ、実は大切な思い出になるのかもしれません。
「DIE WITH ZERO」をそのまま実践する必要はない
もちろん、本の考え方をそのまま真似する必要はないと思います。
老後のお金がなくなってしまえば、不安な生活になってしまいます。
大切なのは、「ゼロにすること」ではなく、「お金と時間のバランスを考えること」ではないでしょうか。
例えば、旅行資金を少しずつ別にしておく。
年に一度は家族と旅行する。
興味のあることには、無理のない範囲でお金を使う。
健康づくりにもお金と時間を使う。
そんな小さな計画でも十分だと思います。
将来のために貯めるお金と、今を楽しむためのお金。
その両方を持っていることが、安心につながるのではないでしょうか。
「いつか」を一つずつ減らしていこう
人生を振り返ったとき、「もっと貯金しておけばよかった」と思う人もいるでしょう。
一方で、「もっと旅行しておけばよかった」「家族と過ごせばよかった」と後悔する人もいると思います。
だからこれからは、「いつかやりたいこと」を書き出してみようと思います。
大きな夢でなくても構いません。
食べたいもの、見たい景色、行きたい場所、会いたい人。
思いついたことを一つずつ書いてみるだけでも、時間の使い方が変わるかもしれません。
「これでいいのだ」と思える人生にするには、何も特別なことをする必要はないのだと思います。
今日を大切にして、家族に「ありがとう」と伝え、健康に気をつけながら、やりたいことを少しずつ楽しむ。
そして、明日ではなく、できることから今日始める。
令和8年熊本地震をきっかけに、そんな生き方を意識してみようと思いました。
お金は人生を支える大切な道具です。
でも、人生そのものではありません。
残すことだけではなく、使うこと。
そして、使ったお金を「楽しい思い出」に変えていくこと。
それも、これからの人生に必要な大切な準備なのだと思います。
