私は国内・海外合わせて20年ほど単身赴任や転勤を経験してきました。
その当時は慣れない環境に戸惑うこともありましたが、振り返ってみると「転勤があったからこそ得られた気づき」が多くあります。
特に、50代を迎えた今だからこそ、キャリアの柔軟性がどれほど大切かをしみじみ感じています。
今回は、自分の経験を振り返りつつ、これからの働き方のヒントになりそうなことを書いてみようと思います。
新しい土地で気づいた「自分のクセ」と向き合う大切さ
転勤をすると、まず生活環境がガラッと変わります。
私は人見知りという性格もあり、最初は会社の同僚と打ち解けるまで時間がかかったことを覚えています。
同じ日本でも地域ごとに雰囲気や言葉の使い方が違い、戸惑う場面も多くありました。
ただ、こうした環境の変化は、自分の内面と向き合うきっかけにもなりました。
「どうすれば早く馴染めるだろう」「無理のないコミュニケーションは何だろう」と考える中で、自分のクセや弱みが少しずつ見えてきます。
転勤は面倒に感じることもありますが、実は“自分を知る時間”でもあるのだと気づきました。
仕事のやり方はひとつじゃないと知った
場所が変われば、人も変わり、仕事のやり方も変わります。
以前と同じやり方が通用しないこともあり、そのたびに「柔軟にやってみよう」と気持ちを切り替えることが求められました。
特に印象に残っているのは、海外勤務の時です。
言葉の壁がある上に、仕事の進め方も日本とは違います。
最初は戸惑いの連続でしたが、「怖がらず話してみよう」と思い切って踏み出したことで、少しずつ周りとつながれるようになりました。
この経験から、「正しい方法は一つではない」「状況が変われば、やり方も変えていい」という考え方を持てるようになりました。
環境の変化は、人生の景色を広げてくれる
転勤は生活リズムも変わり、趣味や気分転換の方法も見直す必要があります。
私は旅行が好きなので、赴任先から行ける場所を探したり、休みの日に散歩をして新しい風景を見つけたりしました。
日常が変わると、自然と考え方も広がっていきます。
「こういう生き方もいいな」「こんな暮らし方もあるのかもしれない」と視野が広がる感覚がありました。
50代を過ぎた今でも、「環境が変われば世界が広がる」という感覚は大切にしたいと思っています。
キャリアに“硬さ”はいらないと実感した
転勤を重ねてきて強く感じるのは、「キャリアに必要なのは完璧さより柔軟さ」だということです。
若い頃は、ひとつのやり方を極めることが正しいと思っていましたが、年齢を重ねるほどに「変われること」が力になると実感しています。
50代以降は、仕事だけでなく、健康や家族のこと、老後の準備など、考えることが増えていきます。
そんな時こそ、転勤で鍛えられた“柔らかさ”が役に立つ気がします。
「今の生活を少し変えてみよう」「新しい挑戦をしてみよう」
そう考えられる心のしなやかさこそ、この先の人生を支えてくれるように思います。
これからは“自分らしい働き方”に挑戦してみたい
これまでの転勤経験を振り返ると、“変化は決して悪いものではない”と感じます。
むしろ、変化があったからこそ、いろいろな出会いや学びがありました。
これからは、培ってきた柔軟さを生かして「自分らしい働き方」に挑戦してみようと思っています。健康に気をつけながら、好きな旅行も楽しみつつ、シニアになっても収入を得られるような生き方をゆっくり探していくつもりです。
転勤が教えてくれたのは、“どこで働くか”より“どう生きるか”のほうが大事だということ。
これからも、変化を恐れず、前向きに歩いていこうと思います。

