家の片付けをしていると、「もう使わないけれど捨てられない物」が出てきます。
古いカメラ、昔の旅行のカバン、壊れた腕時計…。
それらを手に取ると、どこか懐かしく、少し切ない気持ちになります。
そんな「使わなくなった物」たちを通して、最近感じたことをまとめてみました。
昔の物には「思い出」が詰まっている
先日、押し入れを整理していたとき、学生時代に使っていたラジカセが出てきました。
もう動かないけれど、カセットテープを入れた瞬間の「カチャッ」という音が、当時の空気を思い出させてくれました。
部屋で流していた松山千春や浜田省吾の歌。
恋をしていた頃、友人と語り合った夜。
音楽とともに過ごした青春が、いっきに蘇ってきました。
今のようにスマホ一つで音楽を聴ける時代ではなかったけれど、不便な分だけ、思い出は濃く残っているものですね。
「使わなくなった=終わり」ではない
昔の物を見て思ったのは、「もう使えない=役に立たない」ではない、ということです。
たとえば古いスーツケース。長年の海外勤務で一緒に旅した相棒のような存在です。
角はすり減り、金具も錆びついている。
でも、その傷ひとつひとつに、インドネシアでの3年間や、家族旅行の思い出が刻まれています。
今は押し入れの奥にしまってあるけれど、見るたびに「頑張っていた自分」を思い出させてくれます。
これって、物を使うこと以上に大切な「心の支え」なのかもしれません。
捨てる勇気と残す意味
片付けをしていると、「これはもう処分しよう」と思う物もあれば、「どうしても手放せない物」もあります。
私の場合、息子が小学生の頃に作った工作や、家族旅行のビデオはどうしても捨てられません。
それらは、ただの「物」ではなく、「時間」そのものだからです。
とはいえ、物が増えすぎると生活の邪魔になるのも事実。
最近は「写真に残して手放す」という方法を試しています。
スマホで撮っておけば、いつでも思い出を見返せる。
そう思うと少し気持ちが軽くなります。
使わなくなった物を通して、「執着を手放すこと」も学んでいるような気がします。
時間が教えてくれたこと
若い頃は新しい物にすぐ飛びついていましたが、今は「長く使うこと」や「大切にすること」の価値を感じます。
古い腕時計を磨いてみたら、また少しだけ動いたんです。
その瞬間、「まだ使えるじゃないか」と思いました。
それはまるで、自分自身のようでもありました。
年齢を重ねると、新しいことを始めるのが億劫になることもあります。
でも、少し手をかければ、まだまだ動ける。
そんな気持ちを、古い時計が教えてくれました。
これからの私の暮らし方
これからは、「新しい物を増やすより、今ある物を大切に使う」生活を心がけてみようと思います。
モノを通じて、時間や家族、そして自分の生き方を見つめ直す。そんな暮らし方も悪くありません。
使わなくなった物たちは、ただの「不用品」ではなく、私の人生の足跡。
彼らが静かに語りかけてくる言葉に、これからも耳を傾けていきたいと思います。
まとめ 〜物が教えてくれる人生のヒント〜
・使わなくなった物には、思い出が詰まっている
・「もう使えない」ではなく、「まだ教えてくれる」
・手放す勇気と、残す意味を考えることが大切
・少し手をかければ、自分も物もまた動き出す
物を通して人生を振り返ると、見えてくるのは「今をどう生きるか」。
これからの人生も、「これでいいのだ」と笑えるよう、身の回りの物たちと仲良く暮らしていきたいと思います。
