最近、「歩くことを目的にしない散歩」という言葉を耳にしました。
最初は「散歩って歩くためのものじゃないの?」と思いましたが、よく考えると、この考え方こそ今の自分にぴったりかもしれません。
健康のため、運動のためと気負うのではなく、もっと自由に、心のままに歩いてみる。
そんな散歩の魅力について、今日は自分なりに感じたことを書いてみたいと思います。
歩数を気にしない散歩の心地よさ
健康アプリで毎日の歩数をチェックするのが習慣になっている方も多いと思います。
私もそのひとりでした。
しかし、ある日スマホを家に忘れて散歩に出かけたとき、なぜかいつもより気持ちが軽かったんです。
「今日は何歩歩いたかな?」という意識がないだけで、風の音や鳥の声がよく聞こえ、近所の庭先に咲く花に目がいく。
その瞬間、「ああ、これが本当の“散歩”なんだな」と感じました。
歩数を競うことが悪いわけではありませんが、数字に縛られない散歩は、心にゆとりを生んでくれます。
「今日はどの道を歩こうかな?」と、気の向くままに足を向けるのも楽しいものです。
目的地を決めないことで見える景色
普段は「公園まで行こう」「駅前のカフェまで歩こう」と、何かしら目的地を設定して歩いていました。
でも最近は、あえて目的地を決めないようにしています。
曲がり角を見つけたら「今日はこっちに行ってみよう」と、まるで冒険のような感覚。
ある日、初めて入った細い路地の先に、昔ながらの駄菓子屋さんを見つけました。
おばあちゃんがひとりで店番をしていて、つい立ち話を。
「この辺も変わったねぇ」と笑うその顔が、なんだか懐かしく、心が温まりました。
こんな出会いは、目的地を決めていたらきっとなかったでしょう。
散歩は、ただ歩くだけでなく、“偶然の贈り物”を運んでくれる時間でもあります。
心の整理にもなる「寄り道のすすめ」
散歩の途中でベンチに腰を下ろし、空を見上げる時間も好きです。
歩くことを止めて、ただぼんやりする。
「最近、ちょっと疲れてたな」と気づいたり、「あれ、なんであのことで悩んでたんだろう」と気持ちが軽くなったり。
散歩は体だけでなく、心を整える時間でもあります。
歩きながら考えごとをしていたつもりが、気づけば何も考えていなかった。
そんな瞬間が、心のデトックスなのかもしれません。
目的地を決めない散歩は、寄り道をする自由をくれます。
寄り道の中で、気持ちをリセットする小さなきっかけを見つけられるような気がします。
「歩くために歩かない」という贅沢
年齢を重ねると、「健康のために歩かなきゃ」という思いが強くなります。
もちろんそれも大切ですが、たまには“健康を意識しない散歩”をしてみるのもおすすめです。
例えば、天気が良い日に近くの海辺や川沿いを歩く。
風のにおい、波の音、遠くに見える山の形。
それらをただ感じるだけで、心がほぐれていくのを実感します。
「歩かなければいけない」ではなく、「歩きたくなったから歩く」。
その感覚こそが、心の健康につながる気がします。
そんな散歩を続けていけば、結果として体にもいい影響が出てくる。まさに“一石二鳥”です。
これからの散歩をもっと自由に
これからの季節、秋の風を感じながらの散歩は格別です。
落ち葉を踏む音や、夕暮れの光の柔らかさ。五感が喜ぶ時間です。
私はこれから、「今日はどんな景色に出会えるかな」と思いながら、気ままな散歩を続けてみようと思います。
そして、散歩の後はお気に入りのコーヒーを淹れて、ゆっくり一息。
そんな小さな楽しみを積み重ねていくことが、今の自分にとっての“幸せ”なのかもしれません。
皆さんも、もし最近少し疲れを感じていたら、「歩くことを目的にしない散歩」を試してみてください。
きっと心がふっと軽くなるはずです。
まとめ
・歩数や距離を気にせず、気の向くままに歩く
・目的地を決めないことで、思いがけない発見がある
・寄り道や立ち止まる時間が、心のリセットになる
無理をせず、風のように歩く。
それが「歩くことを目的にしない散歩」の本当の魅力だと思います。

