ふとした夜、静かな部屋で「このまま働き続けるべきか、それとも少し早めにリタイアするか」と考えることがあります。
若い頃には想像もしなかった「第二の人生の選択」。
焦る気持ちもありますが、立ち止まって考えること自体が、すでに新しい一歩なのかもしれません。
「退職」という言葉が頭をよぎった夜
ある晩、テレビを見ながらなんとなく頭をよぎったのが「早期退職」という言葉でした。
特に会社で何か嫌なことがあったわけでもなく、健康に問題があるわけでもない。
ただ、心のどこかで「今のままでいいのか」という小さな声が聞こえたのです。
若い頃は「定年まで頑張るのが当たり前」だと思っていました。
けれど、時代は変わりました。働き方も、生き方も、人それぞれの選択肢がある時代。
そう思うと、「早期退職」という言葉に、少しだけ自由の匂いを感じたのです。
辞める理由より、「その先に何をしたいか」
退職を考えると、どうしても「辞めたい理由」にばかり目が行きがちです。
仕事の疲れ、人間関係、体力の衰え…。でも、よく考えるとそれは“過去の延長”の話。
大切なのは「その先、どう生きたいか」という未来の話ではないでしょうか。
私はもし早期退職を選ぶなら、「旅をしながら生活する」という夢を少しずつ形にしたいと思っています。
これまで海外赴任で長く暮らした経験もあり、見知らぬ土地での暮らしには不安よりもワクワクがあります。
たとえすぐには実現できなくても、「退職=終わり」ではなく「新しい暮らしの準備期間」と考えれば、気持ちはずいぶん楽になります。
不安は「お金」と「居場所」
退職後に多くの人が抱えるのが、この2つの不安ではないでしょうか。
「収入が途絶えたらどうするか」「社会とのつながりが薄くなるのではないか」。
私自身もそう考えます。
でも、よく考えるとお金の使い方次第で暮らしは変えられますし、居場所は“自分で作るもの”でもあります。
たとえば、趣味の旅行をきっかけに地域のボランティアに参加したり、ブログで自分の経験を発信したり。
「誰かの役に立つことを続ける」というのは、働くことと同じくらい、心を満たしてくれるように思います。
迷いの正体は「まだ終わりたくない」という気持ち
考えれば考えるほど、早期退職を迷う気持ちは「まだ何かやりたい」という想いの裏返しかもしれません。
35年以上も働いてきた自分の中には、仕事を通して得た誇りや、人とのつながりが確かにあります。
それをすべて手放すことには、やはり少し勇気がいる。
けれど、もう一つ気づいたのは、「働き方」は会社だけのものではないということです。
今の時代、ネットを通して小さな仕事をしたり、好きなことで収入を得たりする方法もあります。
“完全リタイア”ではなく“ゆるやかなセミリタイア”という生き方も、これからの選択肢の一つだと感じます。
焦らず、自分のペースで準備をする
今すぐ結論を出す必要はない。
そう自分に言い聞かせるように、最近はノートに「もし退職したらやりたいことリスト」を書いています。
・もう一度、家族でゆっくり旅をする
・体力づくりを始める
・好きなことで人の役に立つ
書き出してみると、どれも“退職後にしかできないこと”ではないのだと気づきます。
つまり、今から少しずつ準備しておけば、いざその時が来ても慌てずにすむのです。
迷いの夜も、きっと意味がある
「このままでいいのか」と考える夜は、誰にでもあります。
でもそれは、不安ではなく“変化のサイン”なのかもしれません。
私たちの世代は、まだまだ新しいことに挑戦できる。
早期退職をするかどうかよりも、“これからどう生きたいか”を考える時間を持てたことに、感謝したいと思います。
そしてこの先も、自分らしく、健康で、笑って過ごせるように。
まとめ
早期退職を迷う夜は、決して弱気になった証拠ではありません。
むしろ「次の人生に向けた準備」を始める合図。
焦らず、比べず、自分のリズムで。
これからも、「これでいいのだ」と笑って言える日々を目指していこうと思います。