朝の光がカーテンの隙間から差し込むと、「今日も変わらない一日が始まるな」と、ほっとする瞬間があります。
若い頃は、変化こそ成長だと思っていましたが、今は「変わらないこと」にこそ幸せがあるように感じます。
そんな日々の小さな安心感について、今日は少し書いてみたいと思います。
小さなルーティンが心を整える
朝起きて、まず湯を沸かす。
その間に窓を開けて空気を入れ替える。
これだけのことなのに、不思議と心が落ち着くものです。
若い頃は、慌ただしい朝に「ルーティン」なんて考える余裕もありませんでした。
けれど、年を重ねると、同じ動作を繰り返すことが心の安定につながると気づきます。
変化が激しい世の中だからこそ、自分の中に“変わらないリズム”を持つことが大切なのかもしれません。
昔と変わらない景色がくれる安心
朝の散歩コースにある小さな公園。
そこで毎朝、犬を連れて歩くご近所さんと軽く会釈を交わす。
言葉を交わさなくても、「今日も元気そうだな」とお互いに思える。そんな関係がありがたいものです。
昔、仕事で海外にいた頃、見慣れた景色が恋しくてたまりませんでした。
帰国して見た故郷の朝焼けに、「ああ、帰ってきた」と涙が出たのを今でも覚えています。
日々の中で見慣れた風景は、派手ではないけれど、心をじんわり温めてくれる存在です。
変わらない時間があるから、変化を楽しめる
同じ朝でも、季節によって空の色や風の香りは少しずつ違います。
その微妙な違いを感じられるのも、「変わらない日々」があるからこそ。
毎朝の習慣があると、変化を見つける感性も磨かれていく気がします。
たとえば、「あ、今日は少し空が高くなったな」「庭の木の葉が黄色くなってきたな」——そうした小さな発見が、生きる楽しみになります。
変わらない中にある変化。
これが、年を重ねるほどに深く味わえる幸せなのかもしれません。
心穏やかに一日を始めるために
これからの朝は、スマホよりもまず空を見上げようと思います。
ニュースや予定を見る前に、深呼吸して、今日も無事に朝を迎えられたことに感謝する。
忙しい日々の中では気づかない“平凡な幸せ”が、実は一番贅沢な時間なのかもしれません。
変わらない朝。
それは、当たり前のようでいて、本当は奇跡のようなもの。
これからもその「安心感」を大切にしながら、一日をていねいに過ごしていきたいと思います。
おわりに
変化を求める時代だからこそ、「変わらない朝」に価値を見出したい。
同じように感じている方が、どこかにいると思うだけで、心が少し軽くなります。
明日の朝も、いつも通りの湯気とともに、静かな安心を味わいたい。
そんな小さな幸せを、これからも大切にしていこうと思います。
 
  
  
  
  
